物物 / 猪熊弦一郎（集）

画家・猪熊弦一郎が集めていたさまざまな「物」から、スタイリストの岡尾美代子が選び、写真家のホンマタカシが撮影した、2012年BOOK PEAK発行の『物物（ぶつぶつ）』が、時を経て待望の復刊となりました。

画家の猪熊弦一郎は、1984年の『画家のおもちゃ箱』でも知られているとおり、自身の嗜好に触れるものを常に収集し寄り添いながら、暮らしや仕事の糧としていました。世界の至るところでみつけた、高価なアンティークの椅子や道端の石ころ、ボロボロの布切れやガラスのかけら、異国の生活雑貨やおもちゃなど、すべてを区別なく愛おしみ、亡き後の現在も丸亀市猪熊弦一郎現代美術館に大事に収蔵されています。本書は猪熊弦一郎の膨大なプライベート・コレクションの中から、100点余りを岡尾美代子が丁寧に選び抜き、写真家・ホンマタカシが一つ一つを撮影。写真の片側には、撮影当初に交わされたふたりの会話を収録しています。あれこれ想像しながら、ぶつぶつと思いをめぐらせてみると、猪熊さんの人となりが浮かび上がるようです。巻末には小説家・堀江敏幸のエッセイ、デザインと編集はアートディレクター・菊地敦己が担当。