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LE FUMISTOL / fumiko imano

¥3,000 (+tax)

LOEWEのパブリケーションにおける写真やVANSのシューズデザインなど、セルフポートレートを中心に国内外で活躍しているfumiko imanoによる、双子のモンタージュシリーズ最新作"LE FUMISTOL"。2021年コロナ禍のパリで営業する高級ホテルLe Bristolを舞台に、双子がルームサービスで食事をとったり、ベッドで横たわったり、メイクしたり、カーペットに寝そべりスイーツを食べたり。ラウンジやプール、廊下、レストランなど、豪奢でクラシックなホテル内を双子が自由にポーズをとる様子は、より閑散としたホテルの雰囲気が強調されているように見えます。7日間だけのホテル"LE FUMISTOL"特製ランチョンペーパー付き。作家自身によるDIY精神あふれるセルフパブリッシング。サイン入り。


2021年の1月
コロナが世界中で蔓延中にメインキャンペーンを
撮りにパリに飛行機で飛んで行った

当時は高額のpcrテストを受け
前日に全てが決まって
日本の空っぽの空港から空っぽの飛行機に乗り
空っぽのホテルにたどり着きました
いつも泊まっていたプチホテルは閉館
大きなホテルしか営業していなかったので
チョイスはふたつしかなく
外見で選んだのがLe Bristolでした

1877年からあるパリの高級ホテルで
7日間の隔離と8日間の滞在をすることになって
着いた時と7日目のpcr
食べる手段はホテルのルームサービスのみと言われ
高額のメニューを目の前に呆然とした

テレビとルームサービスとマスクをした
お掃除のおばさんたちと話しながら
zoomミーティングをして
7日を過ごした
そこに精霊のいたずらと存在も感じながら

朝食は素晴らしくパーフェクトな盛り付けとテーブルセッティングと
味で美味しくて
だけど3日目にはもう体が受け付けなくなり食べられなくなった
あのクロワッサンも
オムレツもエッグベネディクトも。。。

パスタのメニューに
Pasta for spoiled children
(甘やかされた子供達のパスタ)があり
トリュフとチーズが山盛りで
ネーミングに粋を感じた
65ユーロ

やっと外に出たら
パリはレストランもカフェも閉まっていて閑散としていて
18時には帰らないと罰金
友達たちは家でしか食べられないので
こぞって犬と遊びに来てルームサービスを頼んだ

高級な非日常体験というものも
日常になってしまえば
価値が自分の中で薄くなるというか

だけど

あんなに食べ飽きてしまった朝食も
今は自分の脳みその中で
価値を取り戻し
今までで一番最高のパーフェクトな朝食に
なっていた

コロナ明けに
朝食だけ食べに行こうと思ったら
予約でいっぱい
あんなに空っぽだったホテルが今はまたセレブたちで埋まっていて
活気を取り戻していた

あの閑散としたホテルの姿はもう存在しない

あれはコロナ期の自分だけのホテル 
Le Fumistol

.....




大きさ:  14.8x21 cm
出版年: 2023
印刷: カラー
ページ:  44pages

ランチョンペーパー広げた大きさ: 36x51.6 cm


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