W4SC1A / Alexander Muret

文字を組み合わせたドローイング作品や、独特の色彩感覚の抽象画を描く、ニューヨーク在住のアーティスト、アレクサンダー・ミュレ。2016年にイヴ・サンローランのクリエイティヴ・ディレクター、エディ・スリマンが、彼のラストコレクションで、弱冠23歳だった無名作家ミュレットのアートワークを起用。新進気鋭の作家として、アメリカ国内外で注目を集めている。

「W4SC1A」は、ネット上の画像をコラージュしたZINE。タイトルの”W4SC”は、ニューヨークに実在する場所の名前「West 4th Street Courts」の頭文字に由来。様々な人々が行き交うその場所に、どのような関係性や意味を見出すことができるか？また、そのような状態そのものを作り出すことをねらいとして、本書は構成されている。それぞれの画像にどのような関係性や意味があるのか。独特なセンスで選ばれるモチーフは、そうした読み手の意味づけを楽しんでいるようでもある。

彼のウェブサイト（http://westfourthstreetcourts.com）も同様のコンセプトで作られており、”W4SC” はシリーズ作品として、これから様々な媒体で制作される予定。末尾の ”1A” は、その媒体を区別するためのシリアル番号。