another banana jam jar and asked dad to open the lid on that one, we all ate crepe with this banana jam on it. / Kazuya Nakayama

2022年の夏、古物商に同行してヨーロッパのマーケットやリサイクルショップなどを回ったという美術作家、中山和也による作品集。

誰かに愛用されていたであろう古物が並ぶ空間がまるで「大きな家」に見えたという中山は、出会った人々に、購入した品物をまるで自分の家にいるように使って欲しいとお願いし、その様子を写真に撮影。奇妙な依頼に戸惑う人、乗り気で不思議なポーズをとる人、団欒をしているかのようにくつろぐ人、ピアノを弾く人……反応の多くはぎこちないものの、奇妙な親密さを有した写真が並ぶ。

「大きな家」という空間が有機的に広がり、思わぬ関係性を生み出す様子を見てとることができるトラベローグのような一冊になっている。

大きさ: 21 x 14.8 cm
出版年: 2023
ページ数：224 pages
印刷: カラー