Mount Horeb Palestine / Joseph E. Yoakum

ジョセフ・エルマー・ヨアクム（Joseph E. Yoakum）は、71歳から画家としてキャリアをスタートさせた、異例のネイティブアメリカンアーティスト。退役軍人の彼は毎日絵を描く練習を始め、その後10年間で約2,000点の作品を制作。ボールペン、色鉛筆、パステル、水彩絵具などを用いて表現された山々の断面には、樹木が連なり、花が咲き、風と水が流れ、太陽が顔を出す。まるで教科書で見たような地層のイラスト（地形図）のようなユニークな表現の独特の風景画が中心で、それぞれには7つの大陸の位置が刻まれている。1960年代初頭、繁栄するブラック・アーツ・ムーブメントや新進気鋭のシカゴ・イマジスト・グループなど、ヨアクムはシカゴの他のアーティストたちとは一線を画す独自の視覚言語を瞬く間に確立。2021年にはニューヨーク近代美術館（MoMA)」で初の回顧展が開催されるなど、現在も注目の高いアーティストである。