Peaceable Kingdom

クリス・ジョハンソンとジョー・ジャクソン。共に、「Beautiful Losers」展にも参加するペインターであり、夫婦。(先日のNYで開催されたブックフェア でも仲の良い姿を垣間みたところ。)そんな彼らによる合作ペインティング集。クリス・ジョハンソンは、近年、精神領域(心理療法、ニューエイジ、薬物療 法など)に興味を示している。一方、ジョー・ジャクソンがインスピレーションを受けるのは、フランスの社会主義者とジョセフ・アルバースだという。全体 を通して、アルバースを感じさせる色面の重なりや、記号が複数連なり、何か別次元の意味を持っているかの様なディティールが印象的。ひとつの画面 上に、お互いの興味を持ったものが二人の手により描かれる。○、△、□、人、動物、草木、、、様々な要素が複合的に重なり、共鳴する様は爽快ですらあ る。彼らと共に「Beautiful Losers」展に参加するバリー・マッギーとマーガレット・キルガレン夫婦同様に、互いの作品世界が響き合う美しさをこの作 品集からも容易に感じ取ることができる。タイトルの「Peaceable Kingdom(平和な王国)」が示すのは、少なくともこの夫婦の現在、未来の光景に他 ならない。

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